ひもQ

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    ありがとう、と思いました
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      普通の人が言ったら引いてしまうような変態発言も、
      あきから発せられると違和感が無くてすんなり受け入れられる

      〜友人のmixi日記に於ける人物バトン回答欄にて


      | はてなログ | 02:56 | comments(0) | - |
      ワンコイン・アーティスト
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        実家で自分の机(現在では完全なる要らないモノ置き場と化しています)を漁っていると、1枚の色紙が出てきました。

        あれはあたしがまだ16とか17とかそれくらいの年の頃だったか、友達とワヤワヤ言いながら高知の中心街にある「帯屋町」というアーケード街を闊歩していたときでした。帯屋町をブラブラ買い物をして歩き回ることを「帯ブラ」と呼びます。若者は撮ったプリクラに煌びやかな仕様のペンで「帯ブラ(はぁと)」とひとこと書いてキラキラスタンプでデコレーションし、情報・観光誌には「皆で帯ブラしようッ!」と一発見出しを付けて無理矢理大騒ぎします。どうでもいいな。とにかく、俗に言う「帯ブラ」をしていたわけですね。アーケード街というのは、まぁ当然屋根付きの為、雨や風も凌げます。従って、天候からの害を被らない環境下、アマチュアのアーティスト達が自分の作品を経歴と共に敷き物の上に並べて、「アーティストですが何か問題でも?」という顔でズシンと座っている、なんて光景も珍しくありません。触れるもの皆、俺が切る。みたいな風貌の人もいれば、マジどんどん絡んで〜★友達になろぅぜぇ★★とクネクネしながらウィンクを飛ばすあんちゃんもいます。表現者って大変ですよねMAJIDE。

        あの日も、アーケード沿いにポツポツと見られる様々なジャンルのアーティスト達が、休日の帯屋町を彩っておりました。あたしたちはその中に、ゲームセンター前でゴザを敷き、色紙をたくさん置いているお兄さんを発見しました。色紙には、丸い頭のキャラクターと一緒に大きく「幸」「生」等という漢字が書いてあり、更に空いたスペースにポエムが綴られています。何でも「貴方だけの色紙、描きます」とのこと。同じような格好をしながらも「あたしは皆とは違うの!」という自意識を撒き散らしながら日々を駆け抜ける女子高生としましては「あたしだけの色紙?!よくわからんけど何かイカスがやない?!」と思っちゃわざるを得ない誘い文句!アホなあたしたちは一度は彼の前をチラチラ見ながらもスルーし、「…ちょっと、さっきの人んとこ行ってみん?」「う、うん、別にかまんよ」「行こう行こう」と「別にどうしても見たいわけじゃないけどまぁどうしてもって言うなら見てあげてもいいよ」をいう振りをして引き返すという割と恥ずかしい雰囲気で彼の元へ行きました。

        お兄さんは、アジアン雑貨屋系の服で、胡坐を掻いてカラーペンの蓋を閉めたり開けたり閉めたり、たまに振ったりしていました。あたしたちが恐る恐る近寄ると、「こんにちは」とにっこり笑ってくれます。不精ヒゲが何だかアーティスティック!今まで何だか怖くてみちみちの表現者たちに声をかけることすらままならなかったあたしたちは、意外とフレンドリーなお兄さんに一瞬で懐きました。北海道出身で、全国を津々浦々、作品を描いて回っているというお兄さんは、「そろそろ高知を出ようかなと思ってるんだ…」と言って、伏目。もう会えなくなるの…?会ったばかりなのに!ドラマチックチック止められそうにないあたしたちは「…あたしらも何か描いて欲しいね」「…描いてもらおう!」「そうや!描いてもらおう!」満場一致オメデトウ!めでたくお兄さんは4人分の色紙を描き始めるに至ったのです。

        お兄さんのスタイルは、まず色紙を当てる相手をじっと見つめ、インスピレーションでその人のイメージ漢字を決めます。そしてその人の好きな色を聞くないしは自分で勝手にその人のイメージカラーを決め、その色で漢字をドンと描き、自分のキャラクターを描き、漢字に基づいたポエムを綴り、最後の仕上げにちょいちょいっと水玉だとかいった柄を入れて完成、というものでした。

        順番待ちの間暇だったあたしは、見本の色紙たちをぼんやり見つめていました。…あれ。おそらく暇だったあたしだけでしょう。同じポエムがある。同じ漢字がある。同じ配色がある。同じ、同じ同じ同じ同じ色紙!!!ディテールを微妙に変えているだけで同じ同じ同じー!!そう、ある程度の数の漢字とポエムと配色パターンをパズルのように組み替え、いかにもコレはアナタに送るトクベツな色紙なのだよと見せかけたアート。どっかで見たような言葉の羅列。携帯小説や詩のサイトを覗けばいつでも読めるような陳腐。それが彼の作品だと。あたしは「うわあ!」と思いましたが、もう今更「やっぱいいです」とも言えず。どっかで見たような友達みんなの色紙はあれよあれよと描き終わり、ついに最後のあたしの番がやってきました。嬉しそうな友達を尻目に、あたしは「いらねえええええ」と心中絶叫をぶちかましながらお兄さんの前に座りました。届けこの想い!

        あたしの目つきは完全に不審者を見る目に変わっていたと思います。お兄さんはあたしを見て、「僕そんなに怪しい?怪訝そうな顔しないでよ」と苦笑いしました。うっせぇヒゲ。この変わり身の早さには自分でもヒッ…となります。トクベツが欲しいアホのあたしにゃお前さんはもういらないんだYO!ヒップホップよろしく即興で韻を踏んでやろうかとも思いましたが、この人の目に映るあたしからさてはてどんなキミだけの色紙(笑)が出来上がるのか?というニヤニヤ感情も生まれてきたので、気を取り直してもう一度向かい合う視線と視線。お兄さんは「…この漢字、僕の名前にも入ってるんだ」そう言ってビッと「信」という字を書きました。アッー!!!ごめんあたしあんたのこと微塵も信じてないわ今。そんなあたしのモノローグも何のその、あたしのイメージカラーだよ、と緑を主とした色合いで色紙を書き上げ、「信じて突き進み、歩み笑おうよ」という主旨のポエムを綴り、にっこり笑ってあたしに差し出してきました。「ワァ、アリガトウゴザイマスー」あたしも笑いました。にこにこ!

        お代は君達が決めていいよ。そう言ったのであたしはアハハと100円を差し出し、1000円出した友達に「ちょっと!」と小突かれました。100円払っただけでも良しとしてくれよ…。いい経験したな、もうこういうのいいわ。そう思い、家に帰って適当に本棚に立て、そのまま日の目を見ることはありませんでした。

        後日、学校内カウンセラーも兼任している国語の先生に、一緒に行っていた友達と2人で彼の話をしました。

        「これこれこういうことがあってね、もう散々やった。もういいわって思った」
        「えー、あたしは嬉しかったけどな」
        「アホやなお前らは、どっちもアホや」
        「何、どゆこと」
        「ああいう路上パフォーマンスっていうのはなぁ、そのときの出会いに対してお金を支払うがぞ」
        「出会い(笑)」
        「そう、出会い。笑いネタやないがで。見ず知らずの人と関われる、その人が自分のためだけに何かをしてくれる、後々にそれを形として残せる。そういう非日常に対しての対価を払うがよ。どうせあきは、さっきの授業でやった詩に比べてその人の詩は何て薄っぺらい、どっかで聞いたことある、とか、そういう感想持ったがやろ?そんなん当たり前やん。どっかで聞いたことある詩っていうのは、イコール万人受けする、誰にでも当てはまる部分があるっていうのが当然ながやき」
        「…そうか」
        「きむ、っていう人おるろ。あの人の詩は詩のみじゃ何の価値も無い。あれは写真と合わさって初めて価値が生まれる。みーんな、自分の気持ちを代弁してくれゆうみたい、自分を励ましてくれゆうみたいって思う。だからあんなに売れるがよ」
        「それって幸せなが?人それぞれ?」
        「そうよ。それに価値を見出すか見出ださんかが、100円出すか1000円出すかの違い」
        「そうか」
        「本当の特別、なんて、そう簡単に手に入るもんやないきね」

        成程。あたしはケロリと納得しました。いつの間に人と人は出会いにお金を払わなきゃならなくなったのか、と主旨のずれたことを考えて少し悲しくもなりながら。

        「もうすぐ高知を出る」から「もう会えなくなる」はずだったお兄さんは、その後、1ヶ月経っても帯屋町にいました。半年経ってもいました。1年経ってもいました。あたしが高校卒業してもいました。夏に帰省してもいました。ニュージーランドから帰ってきてもいました。ていうかこないだ帰省したときにもいました。ついでに言うと表現スタイルも格好も名乗ってる名前も変わっていました。

        発掘し、久々に見た色紙には、相変わらずあたしにとっちゃ100円の価値のポエムがありました。さすがに捨てるには忍び無い、あたしの100円の出会いなのでした。
        | ただの文 | 01:44 | comments(0) | - |
        左右対称って、な〜に?
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          エイプリルフールが終わってしまった。


          何ということかー!!いっこも嘘を吐けんかった。それどころか、嘘を吐かれもせんかったぞ。エイプリルフール感が全く感じられなんだ。そら四月馬鹿にもなり損ねるわ。ああいう目的不明のイベントこそ楽しむべきものだと考えて止まないあたしは今、無念の二文字で頭炭酸でございますす。

          誰か。誰かあたしの隣にいてはくれんか。誰かあたしの隣で「今日はエイプリルフールだ」と言って、すっぽ抜けるような嘘を吐いてくれんか。「今日は耳の日だ」と言って、おもむろに色んな生物の耳部分のみの絵を描き始めてはくれんか。「今日はこどもの日だ」と言って、新聞紙で折った兜を被り柏餅でお手玉を始めてはくれんか。出来れば四つほど使って。いつの間にか葉は剥がれていて。手垢がベトボトで。最終的には餅部分も手にこびりついて餡のみが宙を舞う。そういう人に、私はなりたい。
          | ただの文 | 21:56 | comments(2) | - |
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