何かずっと、ふーわふわふーわわー、ってしてるな。日々に現実感が無い。生きてんだか死んでんだかよくわからないまま六月が私の手を振りほどいて桜の木の緑にとろけていってしまった。七月が裸足でぺたぺたと隣を歩いてる。七月か。恋人と初めて会ってから丁度一年が経とうとしているな。早いなあ。約半年後に下の名で呼び合うような仲になろうとは思わなかったなあ。不思議、不思議ながら未だにこの関係にも現実感が無い。口に出すといつも悲しい顔をされるから言わないけれど。
あまり絵を描かなくなってしまった私の右手は最早ただの白豚の前脚だ。いやだなあ。自分次第で何色にもなることを知っているのに。知っているくせに。田中も泣いてんじゃん。何のために生きてるんですかねーって。何もしなかったから何も起きなかったんだなーって。もう呼吸不可能なほどの重みに泣くのはいやだあああー。いや、なら、やめれば、いいのに。やめれば…、
ご飯。
家賃。
光熱費。
電車。
信号。
プレゼント。
私は湿気の嵐を吸い込んで風船のように膨らむ。飛べはしないので尚更醜いです。誰か割ってくんねーかな。