ひもQ

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    きらきらの空がぐらぐら
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      フジファブリックのギター・ボーカル担当、志村正彦氏、2009年12月24日永眠。享年29歳。

      私がフジファブリックの音楽を初めて聴いたのは、17歳、高校生の頃だった。音楽好きの友人がお薦めの曲をいくつか教えてくれた。一番最初に聴いたのは確か「桜の季節」だったと思う。少しの変態性と、くるくるもやもや、焦燥感にも似たあの感じ、どこかノスタルジックなメロディーに乗った、あまり触れたことのなかった男の子のロマンティック。それを初めて目の当たりにした気がして、私は何度も聴き返しては感動していた。それから、アルバムを借り、動画を漁り、新曲をチェックし、ずっと聴き続けてきた。

      フジファブリックの公式ホームページに掲載されていた、あまりに衝撃の強すぎる訃報を目にした瞬間、私の心臓は蹴り上げられたようにどんと跳ね上がり、涙が溢れた。震えが止まらなかった。ベランダに出て、フジファブリックを薦めてくれた友人に電話を掛けた。久しぶりに電話をしてきたと思ったら泣きじゃくりながら志村の名を連呼する私に、彼は大分驚いたことだろう。ごめんね。縋るような気持ちで掛けた電話の向こうの友人の声は思った以上に安心出来て、しばらくすれば涙も止まったけれど、それでもやっぱり悲しい気持ちが消えることは無い。部屋に戻り、遊びに来ていたあいりとフジファブリックの曲を一緒に聞いたり動画を観たりしてぼんやりと志村に想いを馳せる。

      メンバーそれぞれ個性が強くて好きだけど、中でも志村のあの、ヌッとした感じと、嫉妬するような言葉選びで綴る歌詞、淡々としていると思えば時には激しく叫んでみたりする、そんなスパイスを混ぜ込んだ歌声がとても好きだった。あと、ツヤツヤの髪とか。なんか眠そうな眼とか。ひょろっとしてるところとか。でもやっぱり歌っているときの志村が一番好きだった。とても格好良かった。わーって抱き付きたくなるくらい格好良かった。もう見られないなんて聴けないなんて嘘だって言って欲しい。

      志村のことが好きだった。過去形で言ってしまう日が来るなんて。手の届かない世界に行ってしまった人はみんな過去に置き去りにされてしまうのだろうか。そんなのは遣る瀬無い。好きだ。今だってとても。

      私は多分これから先いつまでもずっとフジファブリックの曲を聴き続けるし、そうしている限り私が志村を忘れることは絶対に無い。志村の愛したフジファブリックが消えることは無い。一時の慰めではなく本気でそう思っている。こうやって、これから先もずっと志村を忘れず生きていくファンの人たちはきっとたくさんいるだろう。ミュージシャンってすごいなあ。不謹慎だけれど、これから先、私が好きな人たちはどんどん死んでいくだろう。生きている限りそれは避けられない。そして私も死ぬ。こんな風な終わりの日は誰にでも平等にやってくるのだろう。でもどうして今なんだろう。29歳だよ。早過ぎやしないか。もっとたくさん志村の歌が聴きたかったのに。フジファブリックのライブいつか絶対行くんだって。思ってた。のに。

      今年、際立って多かったように思う様々な人たちの訃報の中でも、志村の死はズシリと重くのしかかってくるような存在感を以て私の中にある。思い入れと言う名のリボンでゆるりと首を絞められているような気がする。クロニクルを聴いたとき、これが遺作になるだなんて微塵も思っていなかったのに。ジャケット可愛いなあなんてニヤニヤしていたのに。どうして?なんて、考えても仕方の無いようなことばかり。怪我よりも痛く失恋より胸が苦しくて、こんな気分どうしたらいいんだろう、もうどうにもならないこんな気分。

      志村大好き。どうもありがとう。恋して悲しくて、寒くて切なくて、星見て泣きたくて、迷って逃げたくて、そんな風にくるくる移り変わっていく私の日々の中にフジファブリックはいつもありました。フジファブリックに出逢えて、あなたのメロディーに合わせて鼓動を刻めることがとても嬉しいです。フジファブリックを知らなければ今日のこの日こんなに悲しい思いをしなかったのに、なんて、馬鹿なことは絶対に思わない。あなたの歌声のある人生を送れて幸せです。ありがとう。大好きです。

      悲しいなー。悲しい。悲しいよー志村ー。しーむーらー

      追記
      初めて聴いたのは「虹」だったかもしれない。今思い出した。まあどっちでもいいんですけどね!!好きになったという事実に変わりは無い。寝て起きても相変わらず悲しいけれどきっと大丈夫です。ゼロゼロ年代には笑ってサヨナラしないとな。
      | ただの文 | 23:39 | comments(2) | - |
      またたきキラー
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        いつか星が七色に光ったら、きみの車に乗って彗星へ行こう。自動販売機に売っているのは温かいカフェラテと透明なソーダ水だけだけどいいんじゃないかな。目を瞑ると見える、惑星がぱちばちと瞬いている、絶景だよ、わかる?藍と黒が美しい同棲生活。いいにおい。繋いだ手の中に秘密のプラネタリウムが完成し、私はひとつひとつ光の名を呟く。きみは隣で多分笑う。泣きはしないと思う。宇宙を手の平で掬ってごくりと飲み込んだら、お腹の中で銀河系が熱を持ち始めたんだ。呼吸と鼓動がシンクロして、私はわからないまま溶け込んで一体化する。完全な同化が済んだ後にやっときみをひとりにしてしまったことに気付く。ごめんね。きみの乗る車が遠くなってゆく。さようなら。私は星になる。さようなら。宇宙と約束をする。
        | ただの文 | 10:40 | comments(0) | - |
        トンネルの中の君
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          あったかいところ。高速バスの一番前の列、両側の席、足元にあるあったかいところ。

          何あれ?

          その日はとても寒く、私は厚手のコートを突き破り侵入してくる容赦の無い冬風に当てられ、キャリキャリと小刻みに震えて半泣きになっていた。この日、実家・高知県に向かう高速バスは普段とは少し装いが違っており、来年行われる土佐出会い博だったかなんだかよく覚えてないけれどとにかく博。行われるらしい。皆行こうぜ!そう、出会い博のPRモードな外装になっていた。それはまぁどうでもいいんだ。

          寒い。寒さで1曲ロックンロール出来ちゃうくらい寒い。バスに乗り込んでもまだ寒い。暖房が効き切るにはまだ時間がかかりそうだ…。溜め息をホワりながら自分の席に付き、上着と靴を脱ぎ捨てる。最前列通路右側、運転手の真後ろの席だった。寒いよ〜ん、と心の中で無意味におちゃらけながら、何気なく靴を脱いだ右足を窓側の壁にある段差の上に置いてみたのだ。

          あったかい。

          えっ?!私は反射的にそのあったかいところから足を離した。そしてもう一度、恐る恐る両足をくっ付けてみた。あったかい。あったかいぞぉぉおおお?!足先に熱を与え、私の身体はみるみる寒さを忘れた。しかし何故こんなにあったかいのだろう。このあったかいところは何なんだ。

          あったかいところは、もう一度最初から説明すると、バスには窓がありますね。窓際の席だと座椅子が窓にぴったりとくっ付いていますね。そしてその窓の下に壁があります。壁って言うのか?まぁいいや。ほんで、足元には、壁にぴったりとくっついている小さな段差があるんですな。こう、靴を脱いだ足を乗っける役割を果たしてるんだか何だか知らないが、とにかく段差があるのです。壁も段差も基本的にはカーペットみたいな素材なんだけど、何故か一部だけ銀色のコーティングをされている箇所がある。そこが、あったかいところなのである。

          あああ、伝わっているだろうか?!皆さんの頭に上手くイメージは出来上がっているだろうか?!まさか私もこんな何気ない部分の説明をするようになろうとは思わなかった。私の4年目になる高速バス暦の中でも前例の無い事態なのだ。うろたえる。あったかいところに頭を殴られた気分である。あったかいところのお陰であったかくなれた立場ながらえらい言い草である。許してほしい。でも、何あれ。何であったかいんだよ。まさか運転手さんに「何であったかいんですかあ」と涎を垂らしながら尋ねるわけにもいかない。

          細かいことはいいじゃない。今はこのあったかさを受け入れましょう…。怠惰の女神が耳元で囁く。ああ、そうか、そうだね…あったかいところの存在意義なんて、人々をあったかくさせるために決まってるじゃない…だってあったかいところなんだから…私はふわふわ夢の世界で綿菓子を齧りながらにやにや笑う。高知に到着してもあったかいところはあったかいままだった。ありがとう、あったかいところ。ブラボー、あったかいところ。何が言いたかったのかよくわからなくなったので終わります。明後日は従姉のかずちゃんの結婚式だよ!!!
          | ただの文 | 18:00 | comments(0) | - |
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