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30歳になった。遂に来てしまった…という気持ちよりも、やっと来たー!という気持ちの方が勝っている。予想外の清々しさに戸惑いもありつつ、こんな気持ちになるだろうなと何となく予感もしていたような。すごく不思議な気持ちだ。30歳。
私は早生まれなので、同級生の友人達が続々と30歳になるのを眺める1年だったのだが、他人事ながらやはり普通の(っていう言い方もおかしいのかもしれないけど)誕生日よりどこか感慨深いものがあった。幼少期からの友人、思春期を共に過ごした友人、成人してから出会った友人。キャッキャと騒いだりギョ〜ンと絶望したり淡々としていたりすっかり忘れていたり、皆それぞれに30という年齢の受け止め方が違っていて興味深い。そして今日、私にもその日が無事やってきたというわけだ。私は、なんだろうな、静かに盛り上がってるっていう感じだ。真顔だけど、脳内で祭り囃子が流れている。ハッピなど着て、小気味好く踊りたい気分だ。踊らないけど。ダンスのセンスも皆無だけど。
外はグッと春らしい、というかもはや初夏やないか!というほどに暖かく、とても良い天気で嬉しい。もっと軽やかな服装にすれば良かったなと、全身黒と紺で固めた自分の装いを悔やみつつ、職場に向かう電車に揺られる。 10年前の私は、学校を卒業し、就職を控え、大きな不安と少しの期待を見ないふりして脇に置いて、一人で東京にいた。10年後のことなどとても考えられないくらい、目の前のことに必死で、悩みを引きずりつつも何とか歩むことに必死で、どうにか希望を落っことしてしまわないように必死で…。なんかとにかく、色々と必死だった。必死だったし、いっぱいいっぱいだった。若さだけでは片付けられないどうしようもなさに支配されていたし、それはもしかしたら今でも変わっていないのかもしれない。
20代の10年間。社会に出て働くことの尊さと難しさを知ったり、家族や友人、恋人や同僚、色んな人と真剣に向き合ったり、誰かを猛烈に傷付けたり、裏切ったり頼ったり甘えたり、声を上げて泣いたり、お腹を抱えて笑ったり、本当に色んなことがあった。10代の時とはまた違った光を放ちながら私の日々の後ろに在り、この先何度も思い出すであろう数々の出来事。
この10年で、自分という人間の輪郭が昔よりくっきりと見えるようになったように思う。好きなものも嫌いなものも格段に増えたし、それを声に出して誰かに伝えることを怖がらなくなった。考え方も10代の頃に比べると柔軟性を帯びてきたのでは、と、思う。思いたいし、思えるようになった。良い傾向ではあるが、それでもまだまだ堅〜い頭、一生かけて柔らかくして、何でも笑って受け止められるようなバアさんになりたいなあと思う。そのために30代も何とかかんとか乗り切らなくてはならない。出会いも別れもまだまだ想像のつかない10年だけれど、後悔のないように過ごしていきたいなあと思う。
30代の私もどうぞよろしくお願いします。最低限、死なないように頑張りたいです。